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賃貸でドールと暮らす|床・壁・寝具の「原状回復」で揉めないための予防と退去前チェック

引きずり傷、フローリングの油ジミ、自立させた足裏の跡——損傷はどこから生まれ、どう防ぐか。国交省ガイドラインの原則とあわせて整理します

賃貸でドールと暮らす カバー画像|キッチンで腰かけた 161cm ハイブリッドモデル|Lovestill 編集部

損傷はどこから生まれるか(リスク一覧)

賃貸でドールと暮らすことを禁じる契約条項はまずありません。問題になるのは、暮らしの中で床・壁・寝具に残る跡です。当店に寄せられた退去時の相談を発生源ごとに分けると、ほぼ次の 5 つに収まります。

ドールとの暮らしで起きやすい住まいの損傷
損傷場所発生源気づきやすさ予防の難しさ
油ジミ・変色フローリング・畳TPE からにじむオイル低い(退去時に発覚)易しい
引きずり傷フローリング30kg 超を床で引いて移動高い易しい
局所的な凹み床・畳・カーペット自立させた足裏/椅子の脚への荷重普通
壁の穴・変形石膏ボード壁吊り下げ保管のフック高い普通
寝具・カーテンの色移り備え付け家具オイルと染料易しい

原状回復の考え方(国交省ガイドライン)

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復を「借りた当時の状態に戻すことではない」と明確にしたうえで、次のように整理しています。

ガイドラインが示す負担の考え方(要旨)
区分内容費用負担の考え方
経年変化・通常損耗普通に住んでいれば生じる劣化・損耗賃料に含まれる(貸主側)
借主の故意・過失など故意・過失、善管注意義務違反、通常の使用を超える使用による損耗・毀損借主が復旧する
経過年数の考慮借主負担の場合でも、年数が経つほど負担割合を減らす長く住むほど借主の割合は下がる

いちばん多いのは床:保護材の選び方

床の保護材 4 つの比較

チェアマット(ポリカーボネート製)

5.0/ 5.0
長所
  • 油を通さず、染み込みを完全に防げる
  • 硬いので荷重を分散し、凹みも防げる
  • 透明なら床の見た目を損なわない
短所
  • 価格が高め(数千円〜)
  • 表面が滑りやすく、自立させると倒れやすい

ジョイントマット(EVA 樹脂)

3.0/ 5.0
長所
  • 安価で敷き広げやすい
  • クッション性があり、倒れたときの衝撃も吸収する
短所
  • 継ぎ目から油が床まで落ちることがある
  • 柔らかいので自立させた足裏の荷重で沈む

ラグ・カーペット

2.0/ 5.0
長所
  • 部屋になじむ
  • 引きずり傷は防げる
短所
  • 油を吸って裏まで通すことがある
  • 洗えないものは染みが残る

何も敷かない

1.0/ 5.0
長所
  • 費用がかからない
短所
  • 油が床材に直接染み込む
  • 自立させると足裏の形で凹みが残ることがある

おすすめは「定位置にはチェアマット、移動経路には毛布かヨガマット」の組み合わせです。ドールを普段置いておく場所(椅子やソファの下)だけを硬い透明マットで覆い、動かすときは毛布に乗せて滑らせる——これで油ジミ・凹み・引きずり傷の 3 つをまとめて防げます。

キッチンのテーブルに腰かけた 161cm のドール。椅子の脚と床の接地点に荷重が集中する
▲ 座らせた状態では、椅子の脚 4 本に体重が集中する。定位置の床は保護しておきたい。

壁と寝具で気をつけること

壁・寝具・備え付け家具の注意点
対象起きること予防策
石膏ボード壁吊り下げフックの穴・変形壁に掛けない。スタンドか床置きで保管する
壁紙もたれかけた跡・油の転写壁に直接もたせかけない。間に布を挟む
備え付けのカーテンオイルと染料の色移りドールをカーテンに触れる位置に置かない
備え付けのマットレス凹み・油ジミ防水プロテクターを敷く。ドールは就寝時以外は下ろす
油の染み込み・イグサの変色畳の上に直接置かない。上敷きを使う

壁掛けの保管は、下地(柱)のある位置でなければ 30kg の荷重を支えられず、石膏ボードに穴が開きます。保管方法そのものは自立・スタンド・吊り下げ保管 完全ガイド、寝具側の対策は添い寝のための寝具選びにまとめています。

退去前のセルフチェック

退去 1 か月前からのチェックフロー

なぜ TPE は床を汚すのか

TPE は柔らかさと弾力を保つために、製造時にオイル(可塑剤)を含ませて成形されます。このオイルは時間とともに表面へにじみ出てきます(オイルブリード)。床に接している面からは、そのまま床材へ移りますシリコンはこの性質がほとんどないため、床を汚すリスクは大きく下がります。

▲ 素材の成り立ちを知ると、なぜ定位置の床を保護すべきかが分かります。

オイルブリード自体を減らすには、月 1〜2 回のパウダリングと、高温多湿を避けた保管が効きます。素材ごとの性質と手入れはTPE ラブドール 完全ガイドにまとめています。

よくある質問

賃貸でラブドールを置くことは契約違反になりますか?
一般的な賃貸契約にラブドールを禁止する条項はまずありません。生き物ではないため、ペット禁止条項にも当たりません。注意すべきは所持そのものではなく、床や壁に残る跡です。
フローリングの油ジミは退去時に請求されますか?
ケースによります。国交省のガイドラインでは、通常の使用を超える損耗は借主の負担とされていますが、油ジミがそれに当たるかどうかは契約内容と、管理会社・貸主との協議で決まります。判断が分かれる状態を作らないよう、定位置の床を保護しておくのが最も確実です。
いちばん安くて効果のある対策は何ですか?
ドールの定位置に透明なチェアマットを敷くことです。油を通さず、荷重も分散するため、油ジミと凹みを同時に防げます。移動のときは毛布に乗せて滑らせれば、引きずり傷も防げます。
シリコンのドールでも床は汚れますか?
シリコンはオイルのにじみがほとんどないため、油ジミのリスクは大きく下がります。ただし荷重による凹みと引きずり傷は素材に関係なく起きるので、床の保護は同じく必要です。ハイブリッド(シリコンヘッド × TPE ボディ)は、床に接するのがボディ側なので TPE と同じ対策をしてください。
退去の立ち会いで跡を指摘されたらどうすればいいですか?
その場で合意せず、指摘された箇所を写真で記録してください。入居時の写真があれば照合します。請求内容に納得できない場合は、消費生活センター(局番なし 188)に相談できます。
ミニドールでも対策は必要ですか?
7〜8kg のミニドールなら荷重による凹みはほぼ起きません。ただしTPE である以上、油ジミの対策は同じく必要です。定位置に小さめのマットを敷いておけば十分です。

参考・出典

  1. 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン国土交通省
  2. 賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル国民生活センター

この記事は Lovestill 編集部が作成しました。
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