服・コーデ読了時間 約 10

ドールの服を手作りする|採寸・ゆとり計算・色移りしない布選び

市販品が合わないミニドールや男性型でも、採寸さえできれば作れます——ドール服で失敗しやすいのは縫い方より「布」と「留め具」です

ドールの服を手作りする カバー画像|チャイナ風ワンピースを着た 161cm ハイブリッドモデル|Lovestill 編集部

なぜ手作りが選択肢になるのか

等身大の女性型なら、市販のレディース服がそのまま使えることが多いです。困るのはそれ以外の体型です。80〜100cm のミニドールは市販の衣類がほぼ入らず、男性型はウエストが細すぎてメンズのボトムスが合いません。ドール専用の衣装も、選択肢は限られています。

体型別・市販品の合いやすさ
体型実測(B / W / H)市販品手作りの価値
80〜84cm ミニ49 / 30〜32 / 50 cm乳児服が近いが体型が合わない高い
100cm ミニ60 / 44 / 62 cm乳幼児服が近いが同上高い
140cm 男性型55 / 48 / 70 cmメンズ XS でも大きい高い
165cm 男性型83 / 63 / 93 cmトップスは合うがボトムスが合わない中(ボトムスのみ)
等身大 女性型モデルによるレディース服がほぼ使える低い

既製品で合わせる場合のサイズ選びは服&下着 サイズ 完全ガイド(女性型)と男性型ドールの衣装サイズにまとめています。本記事は、それでも合わないときの手作りの話です。

布選び:いちばん大事なのは色移りしないこと

人の服と決定的に違うのはここです。TPE はオイルがにじみ出る素材で、そのオイルが布の染料を溶かし、ドールの肌に色を移します。一度定着した色移りはほとんど落ちません。縫い方より、布選びで失敗しないことが先です。

布の種類とドール服への向き不向き
色移りしにくさ扱いやすさ向く用途
白・生成りの綿(ブロード・天竺)インナー、裏地、最初の 1 着
淡色の綿・麻ワンピース、シャツ
ニット(綿・ポリエステル)○(伸びる)トップス、関節をまたぐ部分
ポリエステル(淡色)ドレス、裏地
デニム・濃色の綿×直接肌に触れない外側のみ
ラメ・スパンコール付き×裏地を必ず付ける
合成皮革裏地を付けて小物に

採寸とゆとりの計算

型紙の寸法は「ドールの実寸+ゆとり」で決めます。人の服では動くためのゆとりを取りますが、ドールでは「着せるときに関節を曲げずに通せるか」がゆとりの主な理由になります。

部位ごとのゆとりの目安(型紙の仕上がり寸法=実寸+ゆとり)
部位ゆとり(布が伸びない場合)ゆとり(ニット)理由
バスト(胸囲)+6〜10 cm+0〜4 cm腕を通すときに肩が引っかからないように
ウエスト+4〜6 cm+0〜2 cmゴムかベルトで調整する前提
ヒップ+6〜8 cm+0〜4 cm脚を曲げずに通すため
袖ぐり+4〜6 cm+2 cm腕を差し込む角度を確保する
首まわり+3〜5 cm+2 cm頭を通す場合はさらに大きく/前開きにする
計算例:80cm ミニ(B49 / W32 / H50)で布帛のワンピースを作る場合
部位実寸ゆとり仕上がり寸法型紙(前後 2 枚なら 1 枚あたり)
バスト49 cm+8 cm57 cm28.5 cm(+縫い代)
ウエスト32 cm+5 cm37 cm18.5 cm(+縫い代)
ヒップ50 cm+7 cm57 cm28.5 cm(+縫い代)

留め具の選び方

ドール服の留め具は、見た目よりも着せるときに関節へ負担をかけないかで選びます。前か後ろが大きく開くほど、腕や脚を無理に曲げずに済みます。

留め具 4 種の比較

面ファスナー(マジックテープ)

4.0/ 5.0
長所
  • 開口を大きく取れて、着せ替えが最も楽
  • 縫い付けも簡単
短所
  • フック面が肌に触れると表面を傷つける
  • フック面は必ず外側、または布で覆う

スナップボタン

5.0/ 5.0
長所
  • 肌への当たりが少ない
  • 開閉が静か
短所
  • 金属製は肌に長時間触れると跡が残ることがある
  • 樹脂製を選ぶのが無難

ボタン+ボタンホール

3.0/ 5.0
長所
  • 見た目が本格的
短所
  • 小さいと指で留めにくい
  • 着せ替えに時間がかかる

ファスナー

2.0/ 5.0
長所
  • 大きく開けられる
短所
  • 金属の歯が肌を傷つける
  • 肌側に布を当てる処理が必要
カーキのシャツとパンツを着た 165cm の男性型ドール
▲ 男性型はボトムスのウエストが合いにくい。手作りするならボトムスから始めると効果が大きい。

制作の流れ

1 着を作るまでの流れ
▲ 体の厚みと関節の位置を意識すると、ゆとりを取る場所が分かります。

よくある質問

型紙はどこで手に入りますか?
ドール専用の型紙は、特に 80cm 前後や男性型では流通が少ないのが実情です。既存の型紙を使うより、採寸してゆとりを足す方式で自作するほうが確実です。本文のゆとりの目安と計算例をそのまま使ってください。
乳児服をリメイクするのはどうですか?
80〜84cm のミニドールなら、乳児服の 70〜80 サイズをリメイクの素材として使うのは有効です。ただし体型が違うため(ドールは大人の体型を縮小したプロポーション)、そのままでは合わないことが多く、脇やウエストの詰めが必要になります。
濃い色の服を作りたいのですが
作れますが、肌に触れる面すべてに白い綿の裏地をつけてください。布は縫う前に水洗いして余分な染料を落とします。それでも長時間着せたままにするのは避け、撮影が終わったら脱がせる運用にしてください。
ミシンがなくても作れますか?
作れます。ミニドールの服は面積が小さいので、手縫いでも 1 着 2〜3 時間程度です。等身大のボトムスなど縫う距離が長いものは、ミシンがあると楽になります。
ゴムはどんなものを使えばいいですか?
幅 6〜8mm 程度の平ゴムが扱いやすく、肌への食い込みも少なめです。細いゴムは肌に跡を残しやすいので避けてください。締めつけが強いと、長時間で肌に線状の跡が残ります。
作った服はどう手入れすればいいですか?
ドールのオイルが移っているので、着せたら毎回洗うのが基本です。オイル汚れは時間が経つと落ちにくくなります。綿なら家庭用洗剤で普通に洗えます。

参考・出典

  1. 消費生活相談窓口(全国の消費生活センター)国民生活センター

この記事は Lovestill 編集部が作成しました。
内容についてのご質問は お問い合わせフォーム よりお気軽にどうぞ。